染野さんの一口メモ    カツラの赤い花は何だろう??
この赤い花は正確にいうと「雄花」です。

カツラは雌雄異株の樹木です。
つまり雌の木と雄の木が別々にあるのです。
雌の木には実が成りますが、雄の木には成りません。

内の萱のカツラは雄の木です。
左の最初の写真はその雄花の写真ですが
赤いバナナ状のものが雄しべの葯(やく)です。
葯の中には花粉がたくさん入っていて
もうちょっと熟すると葯が開いて花粉を風で飛ばします。
飛んだ花粉が違う雌の木の雌しべのところにつくと
うまくいけば秋に果実になります。

カツラの花には花びらはありません。
そもそも何故、花びらが綺麗なのかというと
それは昆虫を引き寄せるためです。
引き寄せた昆虫に花粉を雌しべまで運んでもらうためです。

こういう昆虫を利用して花粉を雌しべに運ばせる花を
虫媒花といいます。

カツラの場合は昆虫を利用せず、風まかせで花粉を
雌しべに運ばせるので花びらが必要ないのでしょう。
風まかせて花粉を飛ばす花を風媒花といいます。
針葉樹やハンノキ、ヤナギ類なども風媒花です。
風媒花はほとんどのものが花が地味です。

下の二枚目の写真は埼玉の公園で撮影したカツラの雌花です。
花が終わったあと葉が展開します。

余談ですが、ツバキはメジロなどの鳥に花粉を運んでもらうので
鳥媒花といいます。
バオバブは、コウモリに花粉を運んでもらうのでコウモリ媒花ということになるのでしょう。

染野

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